【社長のひとりごと】No.29-<達人の名言>から

 朝のNHKで敬老の日に因んでか、高齢者の達人特集のようなものをやっていて、その中で95歳の女性スイマーを取りあげていました。そのクラスの記録保持者ということでしたが、スタート台から飛び込む映像に思わず「骨折しないのか」と驚いてしまいました。その達人が「三途の川を泳いで渡ろうと」に続けて「ターンして戻ってくるかも」とおっしゃったのには大笑いでした。

 世の中には<達人の名言>というのが残されていて、今回はそれらを拾ってみましょう。まずは、夏目漱石が『三四郎』の中で登場人物に言わせる「日本より頭の中のほうが広い」。日露戦争の戦勝気分に浮かれる世情に対する漱石の想いでしょうか、主人公の三四郎が「(略)これからは日本もだんだん発展するでしょう」と言うと、広田先生は三四郎に「亡びるね」と返した後に、先の言葉が吐露されます。  (『人間通の名言』近藤勝重 幻冬舎新書)

 京セラの稲森和夫は「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行することが、物ごとを成就させ、思いを現実に変えるのに、必要」と言います。これを組織的に転換すると「会社には、頭でいく人間、体でいく人間、心でいく人間、そういう連中が混在していたほうが活発化していい」となります。さて、この後は『人間通の名言』からのピックアップです。

――自分自身のことについて誠実でない人間は、他人から重んじられる資格はない(アインシュタイン)

――上機嫌の波はあなたの周囲に広がり、あらゆる物事を、あなた自身をも、軽やかにするだろう (アラン『幸福論』)                                     

――親切にしなさい。あなたが出会う人はみんな、厳しい闘いをしているのだから  (プラトン)

――言葉が役に立たないときには、純粋に真摯な沈黙がしばしば人を説得する (シェークスピア)

――お金ばっかりで本当にいいのかって思う日が来なかったら、勉強が足りないんだと思う (高倉健)

――孤独は山になく街にある。一人の人間にあるのでなく、大勢の人間の「間」にあるのである (三木清『人生論ノート』)

――社会に出て役に立たぬ事を、学校で講義するところに教育の意味がある  (内田百閒)

 最後に、若い頃に言葉の力で、自殺願望から命拾いした本人・心理学者の名言です。

――「私はここ、死にたい気持ちはそこ」           (諸富祥彦『悩みぬく意味』)