【社長のひとりごと】No.27-一陶工・河井寛次郎が残したことば

 

 河井寛次郎(1890~1966)という陶芸家がいました。民藝の世界に深く関わり、その作品群は世界的な評価を得ましたが、一方で文化勲章や人間国宝への推挙等については辞退する等、自らを一陶工と位置づけてその生涯を創作活動に捧げました。河井寛次郎は陶芸に限らず、文章においても優れた表現者でした。(『火の誓い』河井寛次郎 講談社文芸文庫)

  「仕事のうた」

 仕事が仕事をしてゐます
 仕事は毎日元気です
 出来ない事のない仕事
 どんな事でも仕事はします
 いやな事でも進んでします
 進む事しか知らない仕事
 びっくりする程力出す
 知らない事のない仕事
 きけば何でも教へます
 たのめば何でもはたします
 仕事の一番すきなのは
 くるしむ事がすきなのだ
 苦しい事は仕事にまかせ
 さあさ吾等はたのしみましょう

 あるいは、
 雲は空がすきだ  浮かんでいられる処だからだ
 雨は土地がすきだ  降って落ちられる処だからだ
 風はものがすきだ  当ってみられる処だからだ
 自分はひとがすきだ  ひとであればある程自分だからだ

 自分を律することのできる潔い立ち姿が浮かんできます。たぶん、偏屈で頑固者だったかもしれませんが、なんだか人好きのする好々爺然とした生き様がしっくりきますね。